Dの日記 PAGE7〜9
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二階 寝室
そこは寝室にしてはわりと広い部屋だった。
フローリングの上にはりっぱなグランドピアノが置いてあり、大きなベッドが一つ置いてあった。
もちろんピアノもベッドもボロボロに朽ち果てている。
二人は部屋の隅にある書斎の引き出しから「Dの日記」を発見した。
青木「おいあゆみ、まさかこれ…?」
あゆみ「そ、そうみたいね。」
青木「これがDの日記か…。」
あゆみ「………」
その日記はボロボロに朽ち果てており、表紙に「D」とだけ記されているだけだった。
ページをめくれば、今にも破れそうなほど色あせていた。
青木「よし。この日記は持って帰るとして、とりあえず…ん?おいあゆみ、何してんだ?」
あゆみ「ね、ねぇ四郎。これ見てよ。」
青木「どうした?」
あゆみは書斎の上に飾ってあった写真立てに気づいた。
そこにはいかにもお嬢様風の少女の写真が入っていた。
年齢は青木たちと同じくらいの年頃だろうか。
着ている服はいかにも高価そうな洋服だ。
どことなく気品も漂わせるような少女だった。
だが一つ奇妙な箇所がある。
写真の少女の顔がマジックで塗りつぶされている…。
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青木「女の子の写真か…。かなり昔のものだな、当たり前だけど。」
あゆみ「誰だろうね。っていうかなんで顔がマジックで塗りつぶされてんの…」
青木「さぁな、ここにあるものは全部ボロボロに朽ち果てている。いつのものなのか、誰が住んでいたのかさっぱり分からないよ。」
あゆみ「うん…」
青木「おいあゆみ。見ろよこのピアノ、これ音出るのかな。」
青木はグランドピアノの前に立ち、ピアノを弾こうとした。
あゆみ「ちょ、ちょっと四郎。やめなさいよ…」
青木「大丈夫だって、これはただのピアノだよ。」
青木はピアノの鍵盤を一つだけ叩いた。
ポロ〜ン♪
青木「あ、一応音でるみたいだな。しかしすげえ古い音だ…」
あゆみ「あんたピアノなんか弾けないでしょ。早く帰ろうよ。」
青木「ちょっと待て、なんかこれ弦が一本切れてるみたいだぞ。」
あゆみ「そりゃそうでしょ、それだけ古いんだから。」
青木「まぁそうだが…」
あゆみ「ねぇ早く出ようよ、なんかここにいるとイヤな感じ…」
青木「待てよ、日記を読むんじゃなかったのか。」
あゆみ「えぇ?ここで?」
青木「13ページ目を読まなければいいんだろ?だいいち今はまだ夕方の5時だぞ。午前02:00じゃないから大丈夫だよ。」
あゆみ「そ、そりゃそうだけど…」
青木「なんだよ、お前のほうから言い出したんだぞ。さぁ読もうぜ。」
あゆみ「う、うん…。」
青木はベッドの上に座り、「Dの日記」をヒザの上に置いた。
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青木「あゆみ、ここ座れよ。」
あゆみ「わ、わかってるわよ。」
青木「…おい、あんまりくっつくなよ。ページが開きにくいじゃんか。」
あゆみ「う、うるさいわね。早くページめくってよ。」
青木「今めくるよ。さぁ見るぞ…。」
あゆみ「ごくっ…」
ついに二人は「Dの日記」を読み始めた。
この日記には何が書かれているのか。
少しずつこの秘密を探ってみよう。
意味不明な文が書かれているかもしれないが、全部読めば何かわかるはず。
「D」とは何なのか?人の名前なのか?
午前02:00の謎は?なぜ鏡が必要なのか?
とりあえず、まずは1ページ〜12ページまでお見せしよう。
これは呪いの序章である、ゆえに安心してご覧ください。
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