Dの日記 PAGE4〜6
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S駅東口前 バスターミナル


青木とあゆみは、駅前のバスターミナルにてF町郊外方面のバスを待っていた。


青木「なぁ、あゆみ。」

あゆみ「なに?」
青木「その日記についてはだいたい分かったけど、過去に読んだ人とかいるのか?」
あゆみ「いい質問ね、実はいるみたいなのよ。知りたい?」
青木「別に。」

あゆみ「ウソばっか言うんじゃないわよ、知りたいから聞いたんでしょっ。」
青木「お前がいちいちじらすから…」

あゆみ「まったく…。えぇとね、過去にDの日記を読んだと思われる人物が一年ほど前に新聞に載ってたらしいのよ。」
青木「ほぅ。なぜ記事になるんだ?」
あゆみ「実はその人、自宅で変死体になって発見されたみたいなの。」

青木「ふぅん…。」

あゆみ「その人、おそらく秘密の13ページ目を見たらしいわね。そしてそれを電話で友達に話しちゃったらしいの。」
青木「それで?」
あゆみ「そのとたんにDの呪いがかかったのよ!母親がその夜、冷蔵庫を開けたら・・」

青木「開けたら?」


あゆみ「その人、背骨が逆に折れてえびぞりの状態で冷蔵庫に押し込められてたんだって!」


青木「………」

あゆみ「どう?どう?怖くない?」
青木「別に何も。」
あゆみ「もー、怖いなら怖いと言いなさいよー。」

青木「だって怖くねーもん。」

あゆみ「ふん。とにかくその13ページ目を見た人、背骨どころか腕や足もまるで折り紙のようにばきばきに折れ曲がってたんだってさー。」
青木「…それがDの呪いってわけか。」

あゆみ「うん、そうだと思う。」
青木「それで電話で聞いた友達のほうはどうなったんだ?やっぱその人も呪いにかかったのか?」
あゆみ「いやそれがね、聞いた友達のほうは次の日何も覚えてなかったんだって。」
青木「えぇ?」

あゆみ「ここがまた不思議よね、どうして秘密を聞いたほうは何も起こらず記憶だけがなくなってるんだろ。」

青木「呪いがかかるのはあくまで秘密を漏らした人間だけってことか…。」
あゆみ「そうみたいね、何だか不気味よねー。」

青木「ところで何で冷蔵庫なんかに…」
あゆみ「あ、ちょっと待って。バス来たみたいよ。」

青木「おっと、じゃあとりあえず乗るか。」


青木とあゆみはバスに乗り込んだ。


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バス内


青木とあゆみはバスの後ろほうの空いてる座席に座った。



青木「なぁあゆみ、それで冷蔵庫の件だけど…」

あゆみ「どうして冷蔵庫なんかにってこと?」
青木「あぁ。」
あゆみ「知らない、日記を読めばわかるんじゃない?」

青木「何?お前その日記を紹介されてるサイト見たんだろ?」

あゆみ「日記の内容までは紹介されてなかったのよ、13ページ目の読み方とか読んだあとの注意や警告までは載ってたけど。」

青木「午前02:00に鏡に写して読むってやつか。」
あゆみ「そう、それ。」

青木「どうも謎が多すぎるな、どうして午前02:00じゃないといけないんだ?」
あゆみ「さぁ…あたしもわからない。どうして鏡なんかに写さなきゃ…」

青木「そして秘密を漏らした人物は、背骨が逆に折れてえびぞりの状態で冷蔵庫に押し込まれる。か…。」

あゆみ「いったい13ページ目には何が書かれてるんだろうね。」

青木「うん、少し興味がわいてきたな。」


それから30分後、バスは郊外のF町に着いた。


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S市 郊外 F町210-○×
廃屋の屋敷前にて


青木「この屋敷か?」

あゆみ「住所ではそうみたいね、間違いないよ。」
青木「じゃ行くか。」
あゆみ「ちょちょっと待って…マジで入るの?」

青木「お前が誘ったんだろうが、ここまで来て屋敷に入らないってのかよ。」
あゆみ「わ、わかってるわよ…」


あゆみは青木にぴったりとくっつくように歩き出した。


青木「…(なんだこいつ、自分が一番怖いんじゃねえか…)」


屋敷内 一階ロビー


青木「うわ、すごい朽ち果ててるなー。」

あゆみ「住まなくなってからだいぶ経つんだね、階段なんかボロボロだよ。これ二階に上がれるのかな…」
青木「で、肝心の日記はどこなんだ?」
あゆみ「この屋敷のどこかだと思うけど…」

青木「んじゃ俺は二階を調べるよ、あゆみは一階。」
あゆみ「え?二人で一緒に調べるんじゃないの?」

青木「分担したほうがいいだろ、そのほうが早く見つかる。」
あゆみ「ま、待ってよ。あたしも一緒に二階調べるわよ。」
青木「ははは、一人じゃ怖いんだろ。」

あゆみ「違うわよ!」



それから青木とあゆみは二階の部屋を隅から隅まで調べた。

だが意外にも「Dの日記」はすぐに見つかった。

それは、ある寝室の書斎の引き出しの中にあった。

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