Dの日記 PAGE1〜3
PAGE1


S市 S高等学校 3年1組
午前08:30


あゆみ「おはよー、四郎。」

青木「あ、おはよう。あゆみ。」
あゆみ「ねぇねぇ、すっごい面白いこと教えてあげよっか。これ絶対秘密よ。」
青木「どうせくだらないことだろ。誰かと誰かが実は付き合ってたとか…」

あゆみ「あ、なんだ知ってたの。」

青木「お前さ、あんま他人の秘密を嗅ぎまわるのやめたほうがいいぞ。」
あゆみ「なんでよー、あんただって面白がって聞くくせに。」
青木「あーそうだ。それからな、俺たちあんまなれなれしく会話すんのやめないか。」

あゆみ「なんでよー。」

青木「いくら従妹だからってなぁ…。だいたいお前違うクラスだろ。」
あゆみ「いいじゃんそんなの。別に付き合ってるわけじゃないし。」

青木「当たり前だろ、俺たちはいとこだぞ。イトコ。」

あゆみ「わかってるわよ。…あーもうどうして男ってこういうどうでもいいことを気にするのかなー。」
青木「悪かったな、男ってのは女と違って男女関係を妙に意識するとこがあるんだよ。」

あゆみ「はいはい、わかったわよ。でさ、とびっきり面白いネタがまだあるのよ。」
青木「話聞いてないだろ、お前。」
あゆみ「いいから聞いて、これすっごいとびっきりのネタ。」

青木「お前に彼氏ができたとか?」
あゆみ「違うわよ!いーから黙って聞きなさい。」
青木「わかったよ。…で、何の話だ。」


あゆみ「あんたDの日記って知ってる?」

青木「?なんだそれ?Dの食卓なら知ってるが。」
あゆみ「それはゲームでしょ!あたしが言ってるのはDの日記。」

青木「知らないな、いったい何だよ。」
あゆみ「呪いの13ページ目。オカルト好きのあんたでも、さすがにこれは知らないでしょ。」

青木「だから知らないっての、それが何だよ?」


あゆみ「実はさ、ゆうべインターネット覗いてたらあるサイトで…」


PAGE2


青木四郎(アオキシロー)17歳
S高等学校3年生。
オカルト好きという変わった趣味を持っている。
しかし見た目はごく普通の少年である。


柴田あゆみ(シバタアユミ)17歳

同じくS高等学校3年生。
クラスは違うが、主人公の青木とは従妹にあたる。
好奇心旺盛、うわさ話好きの現代っ子である。

この日、あゆみが青木のもとへ何か面白いネタを持ってきたようだ。
先ほど話した「Dの日記」である。
インターネットのあるサイトで、その日記のことが紹介されていたらしい。


あゆみはこの日記に対して、非常に興味がそそられたのだろう。
さっそく幼なじみの従兄の青木にそれを知らせに来たのだった。

あゆみがゆうべ見たそのサイトの説明によると、どうやらその日記はこの街の郊外にある廃屋になった屋敷に存在するようだ。

ここまで説明すれば、次の展開は予想がつくはず。
あゆみは青木にその日記を読みに行こうと誘ったのである。


呪いのページの秘密を探りに…。


PAGE3


青木「何だか疑わしいな、呪いのページなんて。」

あゆみ「今日学校終わったらその廃屋の屋敷に行かない?あんたもDの日記読みたいでしょ?」
青木「めんどくせーよ、俺今日観たいテレビがあるんだよ。」
あゆみ「あれ?あんた怖いの?」

青木「別にこわかねーよ。」

あゆみ「じゃいこ、決まり。」
青木「お前なぁ…」

あゆみ「放課後に校門前でね、じゃあね!」

青木「おい待てよあゆみ!俺は…」


あゆみは自分のクラスへ帰っていった。


青木「ったく、しょうがないなー。」


放課後 校門前
午後15:40


あゆみ「遅かったわね四郎、何してたのよ。」

青木「悪い悪い、掃除当番だったのすっかり忘れてた。」
あゆみ「じゃ、行くわよ。」
青木「まじで行くのか…。お前一人で行けば?」

あゆみ「何あんた、女の子一人で廃屋の屋敷へ行かせようっての?」
青木「あーあーわかったよ、行くよ。行けばいいんだろ。」

あゆみ「屋敷は郊外だからバスで行ったほうがいいわね、一度駅までいこ。」
青木「どうでもいいけどお前、ちゃんと屋敷の場所知ってんだろうな。」

あゆみ「知ってるわよ、ちゃんとサイトで調べたんだから。えーと、F町210-○×よ。そこの山道に今は誰も住んでいない屋敷があるの。」

青木「しかしこの街の郊外にそんな廃屋の屋敷があったなんて…」

あゆみ「さ、行こうよ。四郎。」
青木「あぁ。」


青木とあゆみはとりあえずこの街のS駅へ向かい、バスで郊外へ出向くことにした。

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