Dの日記 PAGE26〜29
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バタン!
さらに別の刑事が取調室に入ってきた。


刑事「警部補!」
片桐「何だ、騒々しい。」

刑事「昨夜午前03:12分ごろ、柴田家のベランダから青木と思われる少年が侵入するところを隣の住人が目撃していたとのことです!」

青木「えぇ?!そ、そんなバカな!」
片桐「間違いないのか?」

刑事「はい!柴田家の隣の住人は青木のことを知っていたようです!青木は確かに過去に何度か柴田家に訪れていたみたいなので、隣の住人も青木の顔を覚えていたようです!」

片桐「ふむ、目撃者まで現れたか…。どうするね、青木くん。」
青木「こ、こんな馬鹿げた話はない!何かの間違いですよ!俺は殺してない!」

片桐「きみはまだ未成年者だが、きみには黙秘権というものがある。しかし弁護士を雇うにはまだ早すぎるかな…」

青木「ちょ、ちょっと待ってください!俺は犯人じゃない!何かの間違いだ!」
片桐「きみの両親にも署へ来てもらったほうがよさそうだな、さっそく連絡を入れる。」

青木「う、嘘だ!何かの間違いだ!…あなたたちは知らないだけですよ!これはDの呪いがやったんだ!これは全てあの日記が関係してるんだよ!!」

片桐「きみは先ほどから日記日記と言っているが、もしやきみが言ってるのはこれのことかね。」

バサッ!

片桐警部補は青木の前に古い新聞記事を出した。

青木「?!こ、これは…?」

片桐「今から約一年前の記事だ、今回の手口とまったく同じ猟奇殺人事件。きみはこの事件の真相を知っているかね。」

青木「これはきのうあゆみが言ってた事件だ!これも日記が原因ですよ!犯人はDの呪いですよ!」


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片桐「…どうやらきみはこの事件の真相を知らんらしいな、この一年前の事件の犯人が誰だがわかっているのか?」

青木「だからDの日記だって言ってるじゃないですか!この人も秘密の13ページ目を読んだんです!そしてそれを友人に教えてしまったんですよ!だからこの人も冷蔵庫に押し込まれて…」

片桐「きみはこの記事をよく読んだか?実はこれは私が担当した事件だ。Dの日記のことぐらい、この私も知っている。」
青木「えぇ?!あ、あなたも知ってたんですか?!だったら…!」

片桐「きみはこの犯行を日記の仕業だと勘違いしている、そして今回の事件の犯行もDの呪いだと思い込んでいる。」

青木「だ、だってそれしか考えられないじゃないですか!」

片桐「いいか青木くん、よく聞け。…この一年前の事件の真相は日記でもなくDの呪いでもない。実は犯人は[被害者の友人]だったのだよ…。」

青木「えぇ?!」

片桐「証拠も目撃者も全てそろっていた。犯人であったその友人は今のきみのように犯行を強く否定していたが、決定的な証拠が明らかだった。」

青木「刑事さん!その友人は秘密の13ページの内容を聞かされただけですよ!彼には何の罪もない!俺もそうです!断じてあゆみを殺してない!」

片桐「その犯人だった友人は次の日[何も覚えてなかった]らしい…。被害者から[秘密の13ページのことなど、聞いた覚えもない]と供述していたよ…。」

青木「??…ハッ!ま、まさか…?!」

片桐「うむ、そういうことだ…。」

青木「そ、そんなバカな…!!お、俺は…!俺はあゆみから何も聞いてない!秘密の13ページ目に何が書いてあったかなんて聞いてないぞ!!」


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片桐「青木くん、これは私の推測だが…。もしやきみは[覚えてない]のでは?おそらく柴田あゆみはきみの言う通り、秘密の13ページ目を見たのだろう。しかもそれをきみに話してしまったのだよ…昨晩に…。きみはその[聞いた内容を忘れてしまった]…と考えられないかね。」

青木「…?!そ、そんなことって…!!」


〜〜〜〜回想シーン〜〜〜〜

青木「それで秘密のページを電話で聞いた友達のほうはどうなったんだ?やっぱその人も呪いにかかったのか?」
あゆみ「いやそれがね、聞いた友達のほうは次の日[何も覚えてなかった]んだって。」
青木「えぇ?」

あゆみ「ここがまた不思議よね、どうして秘密を聞いたほうは何も起こらず記憶だけがなくなってるんだろ。」

青木「呪いがかかるのはあくまで秘密を漏らした人間だけってことか…。」
あゆみ「そうみたいね、何だか不気味よねー。」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


青木「ち、違う…!俺は何も聞いた覚えはない!だいいちあゆみが秘密の13ページ目を見たことすら知らなかったんだ!!そ、そりゃあ…あいつは読むかもしれないとは思ってたけど…」

片桐「青木くん…きみは昨晩のことを[全て忘れてしまった]のだよ…。秘密の13ページ目の内容を聞いたことを…。そして午前3時ごろ、柴田あゆみを殺害したこともな…。おそらくきみの自宅を調べれば血痕のついた凶器が出てくるだろうな。」


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青木「ウソだ!!これは何かの間違いだ!これは全部Dの日記だ!Dの呪いのせいだ!!」


片桐「その若さで従妹を猟奇殺人とはな…世も末だ。」


青木「お、俺は殺してない!!日記のせいだ…!呪いの13ページの仕業だ…!!」


青木「俺は…俺はあゆみを殺してなんかいない…!」



この一ヵ月後、青木四郎は柴田あゆみ殺害の犯人として断定された。

少年犯罪の中でも、身の毛もよだつ猟奇殺人事件となった。

果たして青木は犯人なのか?



ではこれから真相編をもって呪いのエピソードをお見せしよう。

昨晩の青木の「忘れてしまった記憶」をご覧にいれる。

これが本当の「Dの呪い」である。

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