幼少の頃の体験
投稿者:猫まんまさん
以下の事は全て実話です。

それはまだ俺が幼かった頃で、5歳にもなってなかった。
俺はじいちゃん子で、特に可愛がられてたらしい。(親とかばあちゃんから何回も聞かされた)
じいちゃんからすれば、初めての男の子の孫だったから可愛かったのかな。

でもそんなじいちゃんも、俺が物心つく前に亡くなってしまった。
まだ50代だったはず。
人が死ぬという事を理解するよしもなかった俺は、特に泣かなかったらしいけど、じいちゃんの仏壇の前で『じいちゃんを返して下さい』って何度もお願いしていたらしい…。

それからしばらくして、じいちゃんの年忌の日がやってきた。
記憶とか全然残ってないからおそらく一周忌だと思う。幼い俺ももちろん実家にいた。
その一周忌には大阪から親戚の姉ちゃんも来ていたんだけど…。

法事が一段落して姉ちゃんが玄関にくると、俺がある方向をじっと見ていたらしい。不思議に思った姉ちゃんは俺に

『ヒロちゃん、どうしたの?』

と聞いた。
すると俺は、向こうを指差しながら

『ねぇ、おじいちゃんいるよ。おじいちゃん来てるよ!』

と言ったのだ。
しかし、指差した場所は

納骨堂

もちろんじいちゃんの遺骨も納められてる。
その時、全てを悟った姉ちゃんは

『そうだね…じいちゃん来てるねぇ』

と相槌をうってくれたらしい。
やっぱり、幼かった俺には『見えた』んだと思う…大好きだったじいちゃんの姿が。

じいちゃんとの今でも残っている記憶は、お風呂でじいちゃんに頭からお湯をかけられて、泣きじゃくる俺となだめるじいちゃんの姿。
今では家が建て直されて、倉庫の片隅に風呂場の壁のタイルがわずかに残っているだけ。

けれど、そのタイルを見れば今でもその事を思い出すよ…。

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