笑い声が聞こえる
実家がくそ田舎で回りは田んぼか新築の為に更地されてて、お隣さんが100mも離れてんの。
実家も地主か何かの血筋で無駄に家が立派だった。そんな家のせがれの俺が大学受験の頃の話。

冬の連休に親族揃って海外旅行。受験の俺はおいてけぼり。金は困らないし、受験といっても滑り止めが受かったから、怠惰に過ごして毎日夜更かししてたある夜。いや早朝。
バイクの音がして家の前で止まった。自分は「新聞でも持ってきたかな」と思ってたんだが、一向に走り去る音がしない。
聞き逃したかな、と思い玄関側の窓から確認すると、バイクがエンジン掛けっぱなしで止まってんの。
よう解らんから直に確認しにいくと、変わらずエンジン掛けっぱで止めてあるバイク。お隣さんは遠いし、回りは更地か田んぼ。糞寒いのに田んぼに入って立ちションしないだろうし、更地には人影は全く見えない。
変に思いながら、面倒だから後で配達屋に連絡でもしようと思って玄関に向かったら、途中で辺りが暗くなった。
振り返るとバイクがない。慌てて道路に出るが見当たらない。うすら寒く感じて、急いで玄関に戻ろうとすると、さっき自分がバイクを確認した窓がバタンと閉まるの見てしまった。
その後、家の中から何人人いるんだよってくらいの沢山の笑い声。
正直、動けなかった。時間は分からないけど笑い声が静かに止んでいき、無くなってから慌てて原付出して友人の家に泊めて貰った。
次の日、実家に鍵を掛け忘れたのに気づいて、友人に頼んで付いてきて貰う事にした。
すると、友人は「どうせお前んち、当分一人だろww何人か呼んで宴しようぜ!ww」と言い出した。
正直、鍵を掛けても数日間留守なら空き巣が入りかねんので、自分は承諾した。その後、2日程何も無かったが、3日目の夜出た。
皆でトランプしたり、テレビを見てダラダラしてたら2階の部屋から足音がする。小さい子供ほどの足音。最初小さくてあまり気付かなかったが、数が増えてはっきりと聞こえた。
その場の全員がはっ?という顔してたが、多分自分は真っ青だったと思う。足音はゆっくりと階段を降りてきて、部屋の前まで来た。
誰も動かないし、動けない。と思ってたら、アホがドアに向かって猛ダッシュしようとした。慌てて全員で抑えたら、顔が笑ってるの。基地外みたいなニヤケ顔で大声で笑い出した。
そしたら、また家のそこら中から、前と同じ笑い声。しかも、同じ室内にも何人かの笑い声。全員でアホを抱え込んで、原付やらチャリで友人宅に逃げた。
そして、友人宅から海外の家族に電話して、早く帰ってきてくれと何度も促した。返ってきた母親の答えは「解った解った。にしても誰か友達いるの?すんごい笑い声煩いんだけど!」


正直、漏らした。
おしまい

Good

カテゴリ:不思議・不気味
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