FF11の怖い話
【用語解説】
FF11:オンラインゲーム
ミスラ:FF11の種族
ヴァナ:FF11の世界
タゲ:ターゲット

FF11をプレイしていない友人に起こった悲劇。

A子…大学四年♀、ミスラ7B似。かわいいが切れると姉御
廃男…大学四年♂、ヴァナではエル♂らしい。大学でも有名なヲタ
俺…大学四年♂、A子と同じ学科


先にお断りしておくと、ヴァナでの話は一切出てきません。
一般人の友人がヴァナ厨にストーカーされた話ということで、ひとつ。
あとかなりフェイク入ってます。


先日のこと、大学の学食で夕飯を食っていると、普段は明るいA子がなにやら暗い顔つきでテーブルに来た。
暗いっていうかなにか疑問があってむずむずしているような顔かな。
どうした?と言いながら豚汁をすする俺にA子発言。

A子「<俺>って、FF11やってるんだよね?オンラインゲームの」
俺「そうだけど?やってみたいの?」
A子「(聞いてない)ねえ、 に ぅ に ぅ ってなに?呪文??」
俺「(:.;゚;Д;゚;.:) ブフォァ!!」

ちなみに彼女の発音ではにぅにぅっていうよりニーニーって感じだった。まあそれはいいんだけど。

俺「どこでそんな言葉知ったんだよ?(焦ってる)」
A子「変な電話がかかってきた」
A子「ねえ、ミスラってなに?もしかして恥ずかしい言葉?」

学食でFF11用語連発のA子。慌てる俺。急いで人があまりこない喫煙コーナーに移動。

A子は本屋でバイトをしているのだが、一ヶ月ほど前に来た客がおかしいそうだ。
ひょろっとしていてメガネ、チェックのシャツといういでたちなそいつ(以下廃男)は、FF11の攻略本を取り寄せて欲しいと頼んできた。
ここまでなら普通の客と変わりないと思うが、問題はその後だった。
廃男は店の本を立ち読みしているときに指先を切り、A子はばんそうこうをそいつにあげた。
A子にとってはいたって普通の接客で、特別な思いいれは無かったのかもしれないが、廃男はここで完璧にA子をタゲったらしく、次のA子のシフトの時もやってきた。
そして、店内中に響くような声で
「こkこここの前はケアルありがとう!!!」
と言った。

ここまで聞いて俺、爆笑。A子に怒られる。

しかもA子は昔FFをやったことがあり、「ケアルって、FFのですよね?」と返し、廃男のタゲを完全キープしてしまった。

そして廃男はその後、毎日店に通いつめ、A子がシフトに入っているときはバイト入りの5時から閉店の11時まで、ずっと店に居るようになった。
この時点でA子は薄気味悪く感じたものの、実害がない+一応客 ということで、店長には何も伝えていなかった。

それが一転したのはつい先日。A子の携帯に非通知から電話が来た。

A子「もしもし?」
??「あのー、A子ちゃんだよね?」
A子「あの、誰ですか?!」
??「にぅにぅ好きだよね?A子ちゃんって。ミスラだもんねーghjくyひk、l…」
A子「もしもし?お話がわかりません。切りますよ」
??「あのー、A子ちゃんのラ○ジュース飲みたいんですけど」

A子、ガチャ切り。
イタ電にしてはなんで名前まで知ってるのか、意味不明な言葉は何なのか。
相当混乱してから気がついたのが
「あの声、あの時のお客さんに似てる」
ということだったらしい。オドオドしているのに突然大きくなる所もそっくりだったそうだ。
ミスラとかにうにうとか意味不明な言葉(だよなぁ)の意味が知りたい
→もしかしてFFの言葉?
→そうだ、そういえば<俺>がFF11やってるじゃん
というわけでヲタ代表として俺に聞いてきたと。
なんかカナシス(´;ω;`)
ええ、教えましたとも orz

A子「ありがとう、もしまた何かあったら質問してもいい?」
俺「おー、いつでもこいやあ」
せっかくかわいい子と仲良くなれたしこのさい廃男グッジョブ、とその時は思ってた。

A子はこの後、店長に相談しシフトを変えてもらって、もしも廃男が来ている時はレジに出ないようになった。
さらに携帯は非通知を着拒にし、これで一件落着のように思えた。が。


ある日の昼、学食で飯を食っていると、同じく食堂内にいるはずのA子からメールが来た。
A子「廃男が学食にいる…」
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
A子「今、レジでお会計してる」
そこにはぼっちゃん刈りのような不思議な髪型をした男がいた。だが、
俺、こいつ知ってる━━━━(゚∀゚;)━━━━ッ!!

そいつはうちの大学でも屈指のFF11廃と有名な男。
俺とA子とは違う学部(キャンパスも別)だが、友達がそいつと同じ鯖・学部で話を聞いたことがあった。
会えば戦術自慢・装備自慢をボソボソと喋る。FFやってようと無かろうと。
一日15時間はオンし、大学にも全くこない廃人だった。
俺、速攻友達にメール。すると友達からいろんな事を教えてくれた。

・廃男は最近ログインが減った
・リアルに彼女ができて、一日中一緒にいると言っていた
・ヴァナでも女キャラに粘着してたから、今回はリアル粘着が起きているんじゃないかと心配している

その友達は、廃男から「彼女」の写メをもらったと言う。
急いで転送してもらうと…そう、まさにA子の隠し撮り写メ。

背景から察するにA子のバイト先の本屋です。本当にどうも(ry

こりゃやばいってことで、俺はA子のところへ。
だいたい廃男よ、オマエのキャンパスから歩いて二十分はする俺らのキャンパスでなんで昼飯食いますか。
A子、友達に事情を言ってまぎれるように食堂から逃げてました。
俺が友達から聞いた話を伝えると、顔色真っ青に。

A子は廃男の盗撮+【わたしのもの】発言に切れ、廃男に一人で直談判する!って聞かなかったが止めた。
正直、廃男みたいなタイプは切れるとやばいだろって思ったから。
その代わりに俺が行く…と言ったがあえなく却下された。
A子「そこまで迷惑はかけられないよ」
むしろもっと迷惑かけられたいですが何か(・∀・)
まあ結局、折衷案で二人で行くことにした。

学食を見つけると、廃男はA子がいた席に座ってた。
うはwwwwwわざとだとしたらキモスwwwww
俺とA子で前の席に座る。廃男、俺とA子をきょろきょろ見比べてた。なんか手が震えてる。

A子「こんにちは、この前は注文ありがとうございました」
廃男「…いえ…」
A子「いきなりすいません。あなたが私の写メを取って、彼女だって言ってるって聞いたんですけど本当ですか?」
廃男、黙ったっきりです。でも上目遣いに俺をチラチラ見てた。
俺「これ、見覚えあるだろ?(写メみせる)」
廃男「…(なんかブツブツ言ってた)」
A子「はっきり言って不愉快です。止めてくださいそういうの」
A子「それから、この前イタズラ電話がかかってきました」
A子「あなたに声が似てました。FFの用語を言っていました。」
A子「こんなことがあった後だから疑ってます」
A子「写メを回した人に撤回してください。あとできたらお店にも来ないで下さい」

びしっと言い切った。なんつーか俺出番ねぇ('A`)
廃男はなんだかぶつぶつ言ってた。
学食は煩いからよく聞こえなかったけど、耳を済ませてぞっとした。

廃男「…だからリフレシュは四人までだなぜならMPコスト的にマイナスになるから…」

そう、廃男はずっとヴァナでの戦術を呟いてた。たぶんA子が抗議している間ずっと。
自分を守るバリアを張る呪文みたいだった。
こいつはヤバイ、そう思ったときにA子が突っ込んだ。

A子「すいません、聞いてますか?」
廃男「……だからrdtfぎゅひじょkpl@;はいやなんだよ!!」

廃男のすげーでかい+裏返った声に、広い食堂が一瞬しーんとした。
なんていうか、言葉尻に行くにしたがって声がでかくなるっていうか、ちょっと異常だって皆感じたと思う。

俺、ここでA子を止めました。廃男の様子が明らかにおかしかったので。
近くにいた友達に合図してA子を引き取ってもらって後は俺が話ししました。

俺「俺もFFやってるけどさ、A子はそうじゃないし、そういう子にミスラとか言っても通じないよ」
俺「FFとリアルは違うし、今回は諦めろよ。そもそも会話になってないだろ」
廃男「俺は○○(聞き取れなかった。鯖名?)のサンショウグンといわれた男だ」
廃男「女は、エルオスで四神装備の俺に尻尾ふるんだ(←そんな事実はない)」
俺「いや、ここ現実で学食だし。それよりA子にイタ電したのってあんた?」
廃男「ミスラは男好きだろ」

もう話が噛み合わなくて俺イライラ。
俺「とにかくこれ以上何かしたら、警察行くから」と言って出てきました。


それから友達に廃男の嘘を信じないよう周りに根回ししてもらい、少しでも廃男がおかしな行動をしたらすぐ連絡してくれるように頼んだ。
友達いわく、廃男は女の子のタゲ回しに関してはネ申レベルなので、すぐに違う相手を見つけるだろうとの事だった。

俺もA子もしばらく気をつけて暮らせばおk、と軽く考えていた。
だけど正直甘かった。
廃男は今回ヴァナではなくて、リアルでタゲを見つけたんだから、この時点で根本的に今までとは違う。
そのくせ、ヴァナ上じゃできない被害をリアルで起こすなんて考えもしなかった。
今思えば、ここで警察に相談しておけばよかった。

それからぱったり廃男は現れなくなった。俺達は単純にタゲが変わったと喜んでいた。
だけど、それは実に甘い考えだった。

ある日の夜、合成しながら家でむなしくカップラーメンを作っていると、遠くからパトカーの音がする。
なんだなんだぁ(*´Д`)すげえたくさんくるなーw
と思っていたらA子の友達からリアルTELL。
A子の友達「A子の家に不審者が入ったって!」
そのままA子のアパートに行くとすごい数のパトカーが。
俺は最悪の状態を想像して真っ青になったけれど、警官に肩を抱かれたA子が出てきてほっとしました。
大丈夫かよ!と叫ぶ俺らに、A子は笑ってピースして「ぶってやったよー!」と言い、そしてそれからわんわん泣き出しました。

そしてここから先は、A子に後日聞いた話です。

A子がその夜夕飯を作っていると、インターフォンが鳴ったらしい。
そこでモニターを見てみると、廃男がそこに立っている。
何をしに来たのか?警察を呼びます、というA子に、廃男はこう言ったそうです。
廃男「俺は何でも手に入れられるんだ。これが君を開ける鍵だよ」とモニターの前に突き出されたのはアパートのカギ。
A子が一瞬なんのことかわからず、え??となっていると、なんと玄関のカギが差し込まれ、回る音がした。
だが、玄関のドアにはチェーンがかかっているため開かない。
それでも向こう側から手をねじ込んできて掴もうとする廃男。
間が悪いことに、A子のアパートは四部屋しかない上に他の住人は皆留守。
とっさにA子は、靴ベラでで廃男の喉ティンコを突き、ひるんだ隙にドアを閉めてチェーンを二重にかけ、トイレに立てこもって警察と友達に連絡したとか。
その間、廃男は玄関先で何か叫んでいたようです。

廃男は警察にしょっぴかれ、俺も廃男と話し合いをしたときについて事情を聞かれました。

そして分かったことは
・廃男はA子の研究室に人がいない隙を狙って入り、カギをコピーしていたこと
・そしてA子が家にいない時に中に入り、生活していたこと(A子の時間割と駐車場をチェック、さらにインターフォンを鳴らして確認していた)
・イタ電はやはり廃男、番号はバイト先に張ってあった連絡網を盗み見したこと
などでした。

A子は「そういえば、家に帰ると、直前まで誰かがいたような気配がしてた…」
と言っていました。
かといって何が盗まれるわけでもなく、物の配置が変わっているわけでもないので気のせいだと思っていたとか。

ただ、一回、シャンプーの匂いが一日でひどい匂いに変わっていて、それは廃男がボトルの中に精○を入れていたせいだったと。きもすぐる…。
それを仕込んだと思われる日に、俺の友達に「好きな子ににハイポあげてきたw」って言ってた。
これを聞いてたはずなのにA子に注意できなかった俺DQN orz

廃男はA子の部屋で妄想を膨らませ、そして限界突破してあんな行動に出たようで、精神的にかなりアレなので、警察も大変だろう。

A子は引っ越して、新しいアパートに住んでる。
あれ以来、家の外で物音がする度に不安になるそうだ。
でも「FFやってる人が皆ああいう人だなんて思ってないよ〜」と明るく言ってくれるのが救いか。もう二三発殴ればよかったと言っていた。


俺はと言うと、この一件以来A子のことを好きになってしまったようだが、A子にとって俺は呑み友としか思われてないって愚痴( ゚Д゚)


以上です、省略やら改行下手やら目のすべる長文だわ、失礼しました。

Good

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