二階のボタン
九州の某大学の4年生の時、実験を夜中まで一人でやってたんだ。
外でちょっと休憩してから一階に止まってたエレベーターに入ると、二階のボタンが光っている。
当時エレベーターで悪戯するのが流行ってたから「またか…誰だよ」と、特に気にせず研究室の有る四階のボタンを押した。
扉が開き「二階です」のアナウンスと同時に[閉]のボタンを押すが、扉は何時までたたっても閉まらない。
「おかしいな」と思った所で気が付いた。
「何で一階に止まってたエレベーターの[二階]のボタンが光ってたんだ?二階のボタンを押したなら、二階に上がるはずじゃ…?」
なにやら怖くなってきて、何度も何度も[閉]のボタンを押すが閉まらない。
そうしている内に、二階の廊下から「ズルッ…ズルッ…」と何かを引き摺るような音が聞こえてきて、俺はもうパニック状態。
エレベーターを出て、階段を降りて下宿先まで全力疾走。
次の日、実験途中で研究室を放ったまま帰った事で教授にしこたま怒られたが、エレベーターの事を話すと「…お前も?」と黙ってしまった。
カテゴリ:不思議・不気味
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