手編みのセーター
昨年末くらいからなんだけど、ときどき急に目眩とか吐き気がするようになりました。
最初は風邪かと思ったんだけど普通に元気にしてるのに突然気分が悪くなって、しばらくしたら治ることの繰り返しで普通の体調の悪さとは違うのです。
病院に行っても原因が分からず、ストレスでしょうとか言われ薬をもらって飲んだけど全然治りませんでした。
そんなことが1カ月以上続いていたのですが…。
つい先日のことです。
用事があって近所の家に行ったのですが、たまたま先客がいらしたので、玄関先でその方に方に軽く会釈しました。
するとその方、品の良い50代くらいの奥さんでしたが、いきなり顔色が変わったのです。
その奥さんは、
「いきなりこんなことを聞いてごめんなさいね、もしかしてあなたが着ていらっしゃるそのセーターは手編みで最近プレゼントされたものじゃありません?」
とおっしゃいました。
いきなりのことで私は引きまくりでしたが、確かにそれは、中学からの長い付き合いの友人がクリスマス前に贈ってくれたセーターでした。
友人は編み物がプロ級の腕前で、家族や友人にセーターとか小物を編んで送るのを趣味みたいにしてるのです。
私がそう言うと、そのご婦人は
「そのお友達って、こういう感じの方でしょ」
と、容姿を詳しく描写されたのですが、それがもうビンゴ、本人を知っているのではないかと疑うくらいピッタリ。
その方、いわゆる霊感のある方なのだそうで、へ〜世の中には本当にそういう能力の持ち主がいるんだな〜と私は単純に感心していたのですが、そのあとこの方が言った言葉に激しいショックを受けてしまいました。
「普段は私、霊感に関することは親しい人以外には言わないようにしてるんです。だっておかしな人だと思われますでしょ?でも、あなたのことはどうしても見て見ぬ振りできなくて。こんなことを言って気を悪くされるでしょうけれど私にはそのセーターの編み目の一つ一つから
『死ね』『不幸になれ』
という言葉が吐き出されているのが聞こえるんです…」
そう言われたのです。当然私は怒りました。
だってその友達とは長年仲良く付き合ってきたし、だいたい彼女はそんなことを言うような人ではないんです。
でもよくよく思い返してみると、体調の悪くなるのは必ずそのセーターか、その少し前にもらったマフラーを身に付けていたときでした。
そして、一応すすめに従ってセーターとマフラーを処分したら体調も良くなってしまいました。
あの奥さんの言葉をそのまま鵜呑みにすることはできないにしても、もし本当だったとしたら…親友と思っていた人が、一目一目恨みを込めながらセーターを編んでいたってことでしょうか?
恨まれる心当たりは全くないのですが。
その方の言葉によると
「お友達ご自身も自分の気持ちには全く気付いてないのかもしれませんよ。手作りの物には心の奥底にある思いが乗り移ることがありますから」
だそうです。
ダラダラとした話&あんまり怖くなくてごめんなさい。
カテゴリ:人間の怖い話
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