Dの日記 PAGE22〜25
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突然の身内の悲劇が起こった。
柴田あゆみは今朝方、自宅の冷蔵庫の中で変死体となって発見された。

それは奇妙なことに、被害者の身体は背骨が逆に折れ、えびぞりの状態で冷蔵庫に押し込まれていたという。


警察側はこれを猟奇殺人事件と断定。
従兄である青木四郎は事情調書のため、S警察署へ出頭することになった。


警察側では知るはずもないが、青木にはこの事件の真相を理解していた。
原因はただ一つ、「Dの呪い」以外に考えられない。


ということは柴田あゆみは昨夜、青木との電話のあとDの日記の「秘密の13ページ」を見たとしか考えられない。




そして その秘密を 誰かに 漏らしてしまったのだ…




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S警察署 殺人課
取調室

片桐「では青木くん。まず鑑識の結果だが、被害者の柴田あゆみの死亡推定時刻は昨夜の午前03:10くらいだそうだ。」

青木「そ、そうですか…」
片桐「青木くん、昨夜午前3時ごろきみはどこにいたかね。」

青木「自宅ですけど…」
片桐「学校へ行くまで、家から一歩も外へ出ていないか?」
青木「当たり前ですよ、寝てたんですから。」

片桐「では質問を変えよう、きみはこれまでに柴田あゆみの家へ行ったことは?」

青木「そ、そりゃあ何度もありますよ。幼なじみなんですから…」
片桐「ふむ…。」

青木「あのぅ…これって僕の取調べなんですか?」
片桐「………」
青木「刑事さん、もしかして俺のこと疑っているんですか?」
片桐「いや、まだ何とも…」

青木「俺が容疑者だっていうんですか?!バカなこと言わないでくださいよ!俺はゆうべ家で寝てたんです!」

片桐「まぁ落ち着きたまえ、そこまでは言ってない。」
青木「だってこんな取調室なんかに!…俺はあゆみを殺してなんかいない!」

片桐「…では一つ聞くが、きみはどうして被害者が冷蔵庫に押し込まれていることを知っていた?」
青木「うっ…そ、それは…」

片桐「死体が発見されたのは今朝方だ。きみが学校に登校したあとだから死体の状況が分かるはずがない。それなのにきみは私が説明してもいないのに、被害者の変死体があった場所が冷蔵庫だと知っていた。」

青木「…!」

片桐「この説明を納得いくように話してくれないかね、青木くん。」

青木「…う…」


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そのとき取調室に別の刑事が入ってきた。
ガチャ


刑事「警部補、鑑識から連絡が入ってきました。」

片桐「うむ、どうした。」
刑事「被害者の遺体から別の人間の指紋が検出されたようです。」

片桐「おそらく犯人のものだ、間違いない。」
青木「……」

片桐「青木くん、すまんがきみの指紋を調べさせてもらえないかね。」
青木「やっぱり俺のことを!!」
片桐「そう言うな、これも捜査のうちなんだ。指紋が違えばきみには何の疑いもかからないぞ。」

青木「…わ、わかりました。」


それから捜査のため、青木の指紋を採取した。


…だが、これがいけなかった。


刑事「警部補!青木の指紋が一致しました!」

片桐「何だと?」
青木「えぇ?!」

刑事「被害者の遺体に付着していた本人以外の指紋と青木の指紋が一致しました!」

片桐「…青木くん、これで決定的だな。」
青木「そんなバカな!おかしい!」

片桐「全て話してもらおうか、どのみちこのままではきみは自動的に容疑者から殺人犯に確定してしまうぞ。」

青木「ちょ、ちょっと待ってください!刑事さんたちは知らないでしょうが、これは全てあの日記が…!」

片桐「!…日記だと?」


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青木「あゆみはきっと秘密の13ページを見たんだ!!そしてそれを…!」

片桐「その前に指紋の件はどう説明するつもりだね。」
青木「そ、それは…」


青木「えーと…えーと…ん?…あ!そうか!」


青木は何かを思い出したようだ。


〜〜〜〜回想シーン〜〜〜〜

あゆみ「いった〜い…」
青木「何やってんだよ、ほら手をだせ。」
あゆみ「あ、足が床にはまって…」

青木「どれ、足引っ張ってやるよ。」
あゆみ「バカ!どこさわってんのよ!」
青木「足を引っ張ってやろうって言ってんだよ、いいから動くな。」


ズボッ

青木はあゆみの足を腐った床から引っ張りだした。


青木「よし、さぁ帰るぞ。」
あゆみ「あ、ありがと…」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


青木「そうだ!あのとき俺はあゆみの足に触ったから…!そのときあゆみの足に俺の指紋がついたんだ!」

片桐「…青木くん、人はたいてい毎日風呂に入るものだよ。まして被害者の柴田あゆみは女の子だ。昨夜も同様、彼女が入浴したあとに殺されたんだ。風呂やシャワーを浴びれば、昼間ついたきみの指紋が残るはずがない。」

青木「…!」

片桐「つまり彼女の遺体に付着していた指紋は、風呂から上がった深夜についたものだ。」

青木「で、でも…!俺じゃないんだ!それは違う!」

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